森山、岩崎選手ともに苦戦の週末
DRAGON、今田選手は好結果で、タイトル争いは三つ巴に
B-Max Racing Team(FIA-F4チーム代表 脇⼭敏志)は、9月20〜21日にスポーツランドSUGOで行われたFIA-F4選手権第8〜10戦に参戦し、チャンピオンクラスの森山冬星選手と岩崎有矢斗選手は、苦戦の末ノーポイント。歯車の噛み合わない週末になってしまいました。
インディペンデントクラスでは、今田信宏選手が優勝と3位、DRAGON選手が全戦表彰台で終え、KENTARO選手を含めた三つ巴のタイトル争いは、さらに熱を帯びてきました。
チャンピオンクラス |
■第8、9戦予選(9月20日(土)午前8時〜8時25分)
森山選手は、走り始めから積極的に攻め、計測3周目に1分33秒837と、その時点でトップとなるタイムを記録。一方、岩崎選手は徐々にタイムを上げ、4周目に1分34秒754をマーク。途中、ストップした車両の排除による中断を挟み、予選後半のタイムに期待がかかりました。
しかし、上位陣が1分32秒台に入れるなか、森山選手は1分33秒723と僅かなタイムアップに留まり17位、岩崎選手も1分33秒845まで削ったものの20位。第9戦のグリッドを決めるセカンドタイムでも16位、19位と、不本意な結果で予選を終えました。
ドライバー | 第8戦予選Bestタイム(順位) | 第9戦予選2ndタイム(順位) | |
43号車 | 森山 冬星 | 1分33秒723(17/29) | 1分33秒811(16/29) |
52号車 | 岩崎有矢斗 | 1分33秒845(20/29) | 1分33秒971(19/29) |
- 天候:曇り、コース:ウェット、気温:17℃、路面温度:21℃
■第8戦決勝(9月20日(土)午前11時50分〜17周)
路面に濡れた部分があり、グリッドイン側とアウト側の公平を期すために、レースはセーフティカー(SC)先導でのスタートとなりました。スタートでのポジションアップを狙っていた二人にとっては、痛い措置となりました。
実質のスタートとなった3周目、森山選手はグリッドポジションキープの17位、岩崎選手は、1周目の2コーナーでオーバーランを喫し、26位でコントロールラインを通過しました。その後は、二人とも集団のなかでレースを進めますが、抜きどころの少ないコースでは、順位を大きく上げることは叶いませんでした。
レースは、終盤にストップした車両の排除で、SC先導のままチェッカーとなり、森山選手16位、岩崎選手23位でレースを終えました。
ドライバー | 決勝順位 | ベストタイム(順位) | Point(累計) | |
43号車 | 森山 冬星 | 16位 | 1分24秒816(19/29) | 0(57) |
52号車 | 岩崎有矢斗 | 23位 | 1分24秒885(22/29) | 0(23) |
- 天候:曇り、コース:ドライ、気温:21℃、路面温度:26℃
■第9戦決勝(9月20日(土)午後4時〜17周)
このレースもSC先導のスタートとなりましたが、修正を加えたクルマで森山選手は16番グリッドから、岩崎選手は19番グリッドから、追い上げを図りました。7周目には二人が連なる形になり、8周目には揃って14、15位まで順位を上げ、レース後半はその状態のまま周回を重ねてチェッカーを受けました。
最終結果では、危険なドライブ行為により、プラス5秒のペナルティを受けた上位の選手が二人の間に入り、森山選手13位、岩崎選手15位となりました。レース中のペースは悪くはなかったのですが、ポイントには届きませんでした。
ドライバー | 決勝順位 | ベストタイム(順位) | Point(累計) | |
43号車 | 森山 冬星 | 13位 | 1分24秒692(12/29) | 0(57) |
52号車 | 岩崎有矢斗 | 15位 | 1分24秒661(11/29) | 0(23) |
- 天候:曇り、コース:ドライ、気温:21℃、路面温度:25℃
■第10戦決勝(9月21日(日)午前9時15分〜17周)
三度(みたび)SC先導でのスタートなったことで、後方スタートの森山、岩崎両選手にとっては、ポジションアップのチャンスを奪われてしまいました。
それでも、両選手は諦めずに攻め続け、11周目には他車の脱落もあって、森山選手は16位、岩崎選手は20位まで順位を上げました。そして、残り2周となった15周目には、森山、新原選手、岩崎選手が僅差で競り合いという展開になりました。
最後は、新原選手を抑えようとした森山選手が、最終コーナーで片輪をダートに落として失速。岩崎選手が17位、森山選手は20位でゴールしました。
前大会に続き、今大会もノーポイントで終わってしまった森山選手と岩崎選手は、ランキングを8位、12位まで落とすことになりました。
ドライバー | 決勝順位 | ベストタイム(順位) | Point(累計) | Rank | |
43号車 | 森山 冬星 | 20位 | 1分25秒048(15/29) | 0(57) | 8 |
52号車 | 岩崎有矢斗 | 17位 | 1分25秒397(25/29) | 0(23) | 12 |
- 天候:曇り、コース:ドライ、気温:25℃、路面温度:34℃
■43号車ドライバー 森山冬星選手コメント
「今週末は流れが悪かったですね。練習走行からセットも決まらず、ずっとモヤモヤしたまま、予選に入ってしまった感じです。日曜にはクルマのバランスも良くなり、ペースも上げることができました。ニュータイヤではなかったので、単純な比較は難しいですが、かなり改善することができたと思います。
ただ、トップとの差は依然ありますので、オートポリスに向けてチームとしっかり話し合い、一致団結して結果を残したいですね。悪い流れを断ち切るために、自分自身も一度リセットする必要があると感じています」
■52号車ドライバー 岩崎有矢斗選手コメント
「今週は、木曜日からクルマのセットがまったく決まらず悩んでいましたが、2レース目に改善策が見つかり、少し上向いたところで、終わってしまったという感じです。今まで試したことのないセッティングでしたが、これが、次のオートポリスでも、上手くハマることを祈っています。これを見つけられたのは明るい材料です。
他にも、毎レース追い上げて、バトルのなかで前車を抜くことができました。自分自身が課題と感じていた、攻めのレースができたことも良かったと思います。残り4レースですので、良い形で締めくくれるよう頑張ります」
インディペンデントクラス |
■第8、9戦予選
DRAGON選手は、予選開始から、タイトルを争うKENTARO選手と激しいポール争いを繰り広げました。終盤、DRAGON選手が1分34秒752をマークしてトップに立ちましたが、終了間際にKENTARO選手、中島選手に逆転され3位。今田選手は、少しずつタイムアップし、1分35秒021まで削り取りましたが、トップ3の34秒台の争いに加わることはできず5位でした。セカンドタイムでは、DRAGON選手2位、今田選手5位と、ポールは奪えませんでしたが、上位グリッドを確保しました。
三浦選手は、SUGOの攻略に苦戦し11位。セカンドタイムも12位で、シングルグリッド確保まであと一歩でした。
ドライバー | 第8戦予選Bestタイム(順位) | 第9戦予選2ndタイム(順位) | |
30号車 | DRAGON | 1分34秒752( 3/16) | 1分34秒859( 2/16) |
44号車 | 今田 信宏 | 1分35秒051( 5/16) | 1分35秒255( 5/16) |
88号車 | 三浦 和貴 | 1分37秒300(11/16) | 1分38秒053(12/16) |
■第8戦決勝
SCスタートとなったレースは、SCがコースを外れるとDRAGON選手が即座に2位に上がって、トップのKENTARO選手にプレッシャーをかけました。レース前半、何度か1コーナーでアウトから仕掛けたDRAGON選手ですが、上手く抑えられてしまい、後半はニュータイヤのペースに勝るKENTARO選手に、徐々に差を開かれてフィニッシュ。
10周目に前車を攻略した今田選手が3位に入り、二人が揃って表彰台に上りました。前半で順位を落としてしまった三浦選手は13位でした。
ペースの良かった今田選手は、決勝中のファステストラップを記録し、第10戦のポールポジションを獲得しました。
ドライバー | 決勝順位 | ベストタイム(順位) | Point(累計) | |
30号車 | DRAGON | 2位 | 1分25秒960( 5/16) | 18 (130.5) |
44号車 | 今田 信宏 | 3位 | 1分25秒366( 1/16) | 15( 112) |
88号車 | 三浦 和貴 | 13位 | 1分27秒253(15/16) | 0( 2) |
■第9戦決勝
第8戦同様に、KENTARO選手を追い続けたDRAGON選手ですが、今回もレース後半に入ると少しずつ差が開き始め、折り返しの9周目には1.1秒、12周目には2秒、15周目には3秒と、引き離されてしまいました。
一方、5位から追い上げた今田選手は、8周目に植田選手を攻略、最終ラップの1コーナーでは、3位の中島選手に仕掛けますが、勢い余ってオーバーシュート。植田選手にも先行を許して5位でフィニッシュ。三浦選手は、スタートからグリッドポジションを守って周回を重ね、最後は単独走行となって12位でゴールしました。
ドライバー | 決勝順位 | ベストタイム(順位) | Point(累計) | |
30号車 | DRAGON | 2位 | 1分26秒000( 4/16) | 18 (148.5) |
44号車 | 今田 信宏 | 5位 | 1分25秒944( 3/16) | 10( 122) |
88号車 | 三浦 和貴 | 12位 | 1分26秒605( 8/16) | 0( 2) |
■第10戦決勝
ポールスタートの今田選手は、序盤で2位のKEN ALEX選手に1秒のギャップを築いて、早くも逃げの態勢に入りました。DRAGON選手は、10周目に、4位の⾚松選手を1コーナーでかわすと、14周目に、3位のKENTARO選手に襲いかかりました。両者は、2〜3コーナーで並走し、4コーナーでDRAGON選手がインから前に出ました。アウト側で堪えたKENTARO選手は、DRAGON車に接触して自らコースオフ。
今田選手は、途中SPコーナーでダートに片輪を落とし、ヒヤッとする場面はありましたが、リードを保って今季2勝目。DRAGON選手も今大会3度目の表彰台に上りました。三浦選手は、最後までSUGO攻略に悩み15位でチェッカーを受けました。
今大会の結果、タイトル争いは、DRAGON選手(163.6p)、KENTARO選手(150.5p)、今田選手(147p)の3人に絞られました。
ドライバー | 決勝順位 | ベストタイム(順位) | Point(累計) | Rank | |
30号車 | DRAGON | 3位 | 1分26秒084( 4/16) | 15 (163.5) | 1 |
44号車 | 今田 信宏 | 優勝 | 1分25秒877( 1/16) | 25( 147) | 3 |
88号車 | 三浦 和貴 | 14位 | 1分28秒022(15/16) | 0( 2) | 18 |
■30号車ドライバー DRAGON選手コメント
「今大会は、一度も勝てませんでしたが、内容や結果は上々でした。正直、予選から第2レースまでは、完全にKENTARO選手に負けていましたが、唯一、ユーズドタイヤでの3レース目なら勝負になると踏んでいました。それでも、5番手からKENTARO選手を抜くのは、正直難しいと思っていました。でも、赤松選手を抜いた周に、タイミング良くSCが入り、SC明けのワンチャンスで仕留められ、順位こそ3位ですが、会心のレースでした。
これで、一度逆転されたチャンピオンシップでトップに返り咲きましたが、まだまだ気の抜けない状況が続きます。残る4レースも三つ巴の戦いを楽しみたいと思います」
■44号車ドライバー 今田信宏選手コメント
「最後のようなレースが毎回できれば良いのですが、ここのところ、ずっと予選でポールが取れずに、レースで苦労することが続いています。今回は3レース目があって、優勝することができましたが、内容的には課題が残ったままです。レースペースは悪くないので、予選からテンションを上げていきたいとは思うのですが、年齢的にアドレナリンが出にくくなっているのかもしれません。もうすぐ61の誕生日も迎えますし。
チャンピオンシップに関しては、残る4レースで、ノーポイントは絶対に避けて、確実に取っていきたいと思います」
■88号車ドライバー 三浦和貴選手コメント
「最後まで、菅生のコースを攻略できずに終わってしまいました。走るたびに速くはなっているのですが、まだまだ走り込みが足りないですね。特にSP出口から最終コーナーの速さがなくて、他のセクターでは、明らかに前の車と詰まるのですが、最終セクターで開いてしまうというパターンの繰り返しでした。
残る2大会は、外せない予定と日程がバッティングしていて、残念ながら欠場です。でも、来シーズンも継続参戦する予定ですので、オフの間にできるだけ走り込んで、開幕戦に備えたいと思います」