FIA-F4第13,14戦モビリティリゾートもてぎ(11/1-2) B-Maxレポート

FIA-F4

今田選手がINDPクラスタイトル獲得、清水選手は初優勝
森山、岩崎選手は不完全燃焼の週末

B-Max Racing Team(FIA-F4チーム代表 脇⼭敏志)は、11月1〜2日にモビリティリゾートもてぎで行われたFIA-F4選手権第13、14戦に参戦し、インディペンデントクラスの今田信宏選手が逆転でチャンピオンに輝き、清水康弘選手は自身3レース目となる第14戦で初優勝を飾りました。
チャンピオンクラスは、森山冬星選手が第13戦で追い上げポイントを獲得しましたが、予選での不運もあって上位には食い込むことはできず、岩崎有矢斗選手もペースが上がらずに苦しいレースを強いられました。

チャンピオンクラス

■第13、14戦予選(11月1日(土)午後8時00分〜8時20分)
未明までの降雨で、ハーフウェットの難しいコンディションの予選となりました。
徐々にコースが乾いていくなか、森山、岩崎両選手は、2分04秒台、03秒台、02秒台、01秒台と、毎周順調にタイムを上げていきました。しかし、コースインの順番によって周回数に差が出てしまい、上位グループより周回が1周少なかったため、二人は最も条件の良い最後の周にアタックをすることができず、両レースとも、中団グリッドからのスタートとなりました。

ドライバー 第13戦予選Bestタイム(順位) 第14戦予選2ndタイム(順位)
43号車 森山 冬星 2分01秒170(14/29) 2分02秒044(16/29)
52号車 岩崎有矢斗 2分01秒341(16/29) 2分02秒186(17/29)
  • 天候:晴れ、コース:ウェット/ドライ、気温:15℃、路面温度:17℃

■第13戦決勝(11月1日(土)午後0時50分〜12周)
シグナルトラブルのため、フォーメーションラップからやり直しとなり、周回数は1周減って12周になりました。加えて、オープニングラップでコースオフした車両があり、セーフティカーが入ったため、実質、8周レースとなりました。
5周目にリスタートになると、この周に12位までポジションを上げた森山選手は、8周目に11位、11周目に10位と着実に前車を抜いてゴール。ペナルティで降格した選手がいたため、最終結果は9位。ペースが良かっただけに、予選が悔やまれました。
岩崎選手は、ペースが上がらず苦しい走行となりましたが、ポジションをキープして17位でフィニッシュしました。

ドライバー 決勝順位 ベストタイム(順位) Point(累計)
43号車 森山 冬星  9位 1分59秒370(12/29)   2(87)
52号車 岩崎有矢斗 17位 1分59秒766(18/29)   0(23)
  • 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:22℃、路面温度:26℃

■第14戦決勝(11月2日(日)午前8時25分〜13周)
16番グリッドからスタートした森山選手は14位、17番グリッドの岩崎選手は少し順位を落として19位で、オープニングラップを終えました。2周目に後方車両のコースオフ、ストレートでの接触などでセーフティカーが導入されました。
5周目にリスタートし、レース折り返しを過ぎた7周目を終えた時点で、森山選手は13位、岩崎選手は16位と1つずつポジションを上げますが、レース後半に入ると、岩崎選手はペースが上がらずに順位を落としてしまいました。森山選手は、最後まで攻め続けて11周目に12位に順位を上げてフィニッシュ。岩崎選手は20位で今シーズン最後のレースを終えました。

ドライバー 決勝順位 ベストタイム(順位) Point(累計) Rank
43号車 森山 冬星 12位 1分58秒563( 7/29)   0(87)  8
52号車 岩崎有矢斗 20位 1分59秒334(18/29)   0(23) 14
  • 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:11℃、路面温度:13℃

予選の不運もあり、最終大会は二人とも不完全燃焼のまま終わることになってしまいました。ドライバーズランキングは、シリーズ前半の良い流れを維持することができずに、森山選手8位、岩崎選手14位。チームランキングは5位でした。

■43号車ドライバー 森山冬星選手コメント
「めちゃくちゃ悔しいです。前回は良かったのに、今回は練習が悪すぎました。何が原因なのかは分かりませんが、それで出遅れた感じです。予選も1ラップ少なかったこともあって、沈んでしまいました。
今シーズンは、本当に安定しない1年でした。良いときと悪いときが極端でした。序盤は表彰台にも上って良い位置に付けていましたが、鈴鹿の予選で止まってしまったことで、流れが変わってしまったように思います。
今田さんにチャンスをもらって、絶対にチャンピオン取るという気持ちを持って、毎戦全力でやってきましたが、結果が残せず、恩返しできませんでした。でも、来年も走り続けて、成長した姿を見てもらうことが、恩返しになると思いますので、ここからもしっかり全力で頑張りたいと思います」

■52号車ドライバー 岩崎有矢斗選手コメント
「昨日に続いて、今日もペースが上がらず苦しいレースでした。暗闇を抜けられないまま終わってしまった週末でした。
今年は、初めてシーズンを通してF4に参戦しましたが、初戦から序盤は調子が良くて、そこから右肩下がりで終わってしまいました。悔しさは残りますが、フル参戦したことで、これまでにないほど多くの経験ができましたので、これを活かして来年もチャレンジしたいと思っています」

インディペンデントクラス

■第13、14戦予選(11月1日(土)午後8時30分〜8時50分)
チャンピオンクラスの予選が行われたことで、路面はかなり乾いてきましたが、まだ濡れた部分も多く、微妙なコンディションで予選がスタートしました。
今田、清水選手は、開始からトップタイムをマークするなど、ポールポジション争いに加わりましたが、DRAGON選手は、路面コンディションにセッティングが合わずに、苦戦を強いられました。
終盤、清水選手は2分00秒902までタイムを上げ2位(セカンドベストも2位)。逆転チャンピオンを狙う今田選手は2分00秒964で4位。セカンドベストも3位と、両レースともにタイトルを争うKENTARO選手の1つ前のグリッドを得ました。
DRAGON選手は、想定外の9位(セカンドベスト5位)に沈んでしまい、僅かに残っていたチャンピオンの可能性は、ついえてしまいました。

ドライバー 第13戦予選Bestタイム(順位) 第14戦予選2ndタイム(順位)
30号車 DRAGON 2分01秒470( 9/18) 2分02秒036( 5/18)
44号車 今田 信宏 2分00秒964( 4/18) 2分01秒269( 3/18)
88号車 清水 康弘 2分00秒902( 2/18) 2分01秒155( 2/18)

■第13戦決勝(11月1日(土)午後0時50分〜12周)
スタート後の3〜4コーナーの攻防でクラスポールのKEN ALEX選手が後退。トップに立った清水選手は、セーフティカーランを挟み、5周目のリスタートも決めてトップを快走。2位に上がった今田選手は、タイトルを意識して無理に追わず、2位をキープしました。
ペースを緩めず、ゴールまで走りきった清水選手は、今田選手に4.4秒のリードを築いて独走で初優勝のチェッカーを受けました。4位でフィニッシュしたDRAGON選手は、他車を押し出したとして、ペナルティを受けて13位。
この結果、2位に入った今田選手が、5位のKENTARO選手をシリーズポイントで逆転。7.5ポイント差をつけ、リーダーとして最終戦に臨むことになりました。

ドライバー 決勝順位 ベストタイム(順位) Point(累計)
30号車 DRAGON 13位 2分01秒493( 9/16)   0 (175.5)
44号車 今田 信宏  2位 2分01秒592(11/16) 18( 208)
88号車 清水 康弘  優勝 2分01秒004( 3/16)    25(  53)

■第14戦決勝(11月2日(日)午前8時25分〜13周)
クラスポールのKEN ALEX選手が、エンジンストールで遅れ、今田、清水、KENTARO選手の順でオープニングラップを終えました。
逆転チャンピオンに向けて優勝しかないKENTARO選手は、5周目のセーフティカーランからのリスタート後、清水選手、今田選手を相次いでパスし、トップに立ちました。ポイント計算をしてレースに臨んだ今田選手は、無理にKENTARO選手を抑えることはせず、確実に2位をキープすることに徹しました。
終盤、追い上げてきたDRAGON選手が、清水選手をかわして3位に浮上。清水選手は接触でフロントウィングを失い、徐々に後退。レースは、KENTARO、今田、DRAGON選手の順でチェッカーを受けました。
今田選手は勝ち星こそ3勝と、KENTARO選手の6勝、DRAGON選手の4勝に及びませんでしたが、コンスタントにポイントを積み重ね、0.5ポイントという僅差で初のチャンピオンに輝きました。

ドライバー 決勝順位 ベストタイム(順位) Point(累計) Rank
30号車 DRAGON 3位 2分00秒447( 3/16)   15 (190.5)  3
44号車 今田 信宏 2位 2分00秒476( 6/16) 18( 226)  1
88号車 清水 康弘 9位 2分01秒012( 9/16)    2(  55) 10

今田選手が逆転チャンピオン、清水選手は初優勝、DRAGON選手も表彰台で最終大会を締めくくり、2025年シーズンは幕を閉じました。これでインディペンデントクラスのドライバーズタイトルは3連覇、チームタイトルは2連覇を達成しました。

■30号車ドライバー DRAGON選手コメント
「最後のレースは、今田選手とKENTARO選手のタイトルのかかったバトルを邪魔しないように、後ろでリスペクトを持って見ていました。本当は、そこに自分もタイトル争いで絡んでいれば楽しかったですけどね。
チャンピオンシップに関しては、後半の失速が痛かったです。最後の4戦で表彰台は1回のみで、ノーポイント2回ですから。でも、結果にはそうなった理由があって、それは把握していますので、来年もう一度挑戦しようと思います。とにかく、来年も一番のライバルは、身近なチームメイトですし、今田選手と清水選手に勝てればタイトルが取れると思います。
今シーズンも、チームランキングはダントツでした。うちのチームに速いドライバーと速いクルマが揃っていることが証明できたことに関しては、良かったと思います」

■44号車ドライバー 今田信宏選手コメント
「最終レースは、ポイント差をしっかり計算していましたので、自分が前にいれば当然ながらチャンピオンですし、KENTARO選手がトップだったら2位、2位や3位だったら間にもう1台挟んでも大丈夫というところまで把握していました。KENTARO選手のペースも良かったですし、極端に抑えるようなことはしませんでした。
今大会もそうですが、シーズンを通じて我慢のレースが多かったですね。やはり、チャンピオンシップを争うのであれば、常にポイント圏内にいて、ノーポイントは絶対に避けることが必要ですので、それは常に意識していました。
フォーミュラ・リージョナルで初代チャンピオンとなって、その後、SFライツを3連覇していますので、僕からするとFIA-F4はエントリーカテゴリーの位置づけです。でも、台数が多く、若くて勢いのある選手も参加していますので、何とか初の3ミドルフォーミュラ制覇を成し遂げたいと思っていました。それが実現できて良かったです」

■88号車ドライバー 清水康弘選手コメント
「今大会は前回と違い、クラス分けのない混走フォーマットを経験することになりました。予選は赤旗のタイミングもあり両レースとも2位でしたが、土曜日の決勝は序盤に前に出て逃げ切る形で優勝することができました。日曜日は色々あって順位を下げてしまいましたが、週末を通して新たな経験値をたくさん積み上げることが出来ましたので、前向きに捉えています。
月末にはSFライツの最終大会がありますので、今回の経験を生かして自分が納得できる最高の走りをしたいと思います」



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