2022 SFL第10,11,12戦スポーツランドSUGO(6/18-19)レポート

Super Formula Lights

予選の低迷が響き苦しい週末、次戦に挽回を期す

B-Max Racing Team(SFLチーム代表 組田龍司)は、6月18~19日、スポーツランドSUGOで行われた全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第10~12戦に参戦し、木村選手は苦しみながらも3ポイント獲得。菅波選手はノーポイントに終わりました。
木村選手、菅波選手ともに、金曜日までの好調さを予選で発揮することができず、反省点の多いレースウィークになってしまいました。次戦モビリティリゾートもてぎ戦までは少し間隔が空きますので、対策を練って臨みます。

■第10,11戦予選(6月18日(土)午前11時00分~30分間)
予選日は梅雨の中休みとなり、非常に暑いコンディションとなりました。
木、金曜日の練習走行は雨が降るなどやや不安定なコンディションのなか行われましたが、前戦からの好調さを維持し、木村選手はレイン、ドライコンディションともにトップタイムをマーク。菅波選手も安定した速さを示し、予選で確実に上位グリッドを獲得できるパフォーマンスを発揮していました。
しかし、予選が始まると歯車が狂ったかのように、なぜかタイムが伸びず、第10戦のグリッドとなるベストタイムでは菅波選手6位、木村選手7位。第11戦のグリッドとなるセカンドタイムでは木村選手6位、菅波選手7位と低迷してしまいました。

ドライバー 予選ベストタイム(順位) 予選セカンドベスト(順位) Point(累計)
1号車 木村偉織 1分14秒136(7/12) 1分14秒144(6/12) 0(42)
50号車 菅波冬悟 1分13秒846(6/12) 1分14秒156(7/12) 0(14)
  • 天候:曇り、コース:ドライ、気温:30度、路面温度:47度

■第10戦決勝(6月18日(土)午後3時35分~25周)
スタートでセカンドロウの2台、野中選手と平良選手がエンジンストールで動けず。波乱を予感させる幕開けとなりました。菅波選手はオープニングラップの1コーナーで前を行く古谷選手のインを刺しますが十分に前に出ることはできずに接触。菅波選手はサスペンションを傷めピットに戻ってリタイアとなりました。
これでセーフティカーランとなりましたが、リスタートとなった4周目のストレートで、今度は3位走行中の木村選手が太田選手のスリップストリームから出ようとして追突。ウォールにクラッシュしてしまい、長丁場のレース序盤でB-Maxの2台は戦線を離脱してしまいました。
レースは小高選手が優勝し、平良選手が2位、平木(玲)選手が3位に入りました。

ドライバー 決勝順位 ベストタイム(順位) Point(累計)
1号車 木村偉織 リタイア 1分51秒050(11/12) 0(42)
50号車 菅波冬悟 リタイア 2分29秒260(12/12)  0(14)
  • 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:30度、路面温度:42度

■第11戦決勝(6月19日(日)午前9時05分~19周)
オープニングラップを予選順位のまま終えた木村選手は、3周目1コーナーで野中選手をアウトからかわして5位にポジションアップ。菅波選手も序盤ペースの上がらない野中選手を攻め立てますが、なかなか攻略できずに逆にその差を開かれてしまいました。
木村選手は、続いて4位平良選手に迫りましたが、12周目の1~2コーナーでアウトに飛び出してしまい一旦差が開いてしまいました。それでも諦めずに追い続け背後に迫ったところでチェッカーを受けました。菅波選手はポジションキープの7位でした。
レースは小高選手が連勝。古谷選手、太田選手と続きました。

ドライバー 決勝順位 ベストタイム(順位) Point(累計)
1号車 木村偉織 5位 1分14秒968(2/12) 2(44)
50号車 菅波冬悟 7位 1分15秒424(4/12) 0(14)
  • 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:30度、路面温度:43度

■第12戦決勝(6月19日(日)午後12時35分~19周)
第10戦の結果が予選グリッドとなるため、リタイアした木村選手、菅波選手は最後列からのスタートとなりました。スタートでは前方の川合選手と太田選手が接触し、それを避けようとした木村選手はコース外に出てフロントウィングを傷めてしまいピットでノーズ交換。幸いセーフティカーが導入されたため、隊列の最後方につくことができました。
4周終了時にリスタートとなると、木村選手は5周目に菅波選手、7周目にマスタークラスの2台、さらに12周目には平木(玲)選手を抜きますが追撃もここまで。6位でフィニッシュを迎えました。菅波選手は後方から徐々に追い上げて8位でした。
レースは小高選手が制し、この週末3連勝。ポイントリーダーに躍り出ました。

ドライバー 決勝順位 ベストタイム(順位) Point(累計)
1号車 木村偉織 6位 1分15秒453(2/12) 1(45)
50号車 菅波冬悟 8位 1分15秒531(5/12) 0(14)
  • 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:30度、路面温度:47度

■チーム監督 高木真一コメント
練習走行は今までどおり調子が良かったのですが、予選ではその勢いを維持できませんでした。SFの走行後だったり、風向きが変わったりと条件の変化はありましたが、とにかく二人とも噛み合わなかったですね。
第10戦はともに接触でリタイアとなりましたが、特に木村選手は周りから見れば焦っているかのように見える当たり方をしてしまいましたので、精神的に引きずらないよう立て直して残る2レースに臨みました。第11戦はパッシングもセオリーどおりでクリアなレースができたと思います。第12戦はスタート後のアクデントを上手く回避でき、決勝ペースも距離を走ったタイヤでしたがファステストまであと少しでしたし、良かったと思います。菅波選手もペースは悪くなかったと思います。
二人とも課題はやはり予選ですね。練習走行からの上げ幅というものを研究していかなくてはいけないですね。

■チーフエンジニア 宮田雅史コメント
厳しい週末でした。そもそもの根本は予選です。金曜日までワンツーを取れる実力があるのに、予選になると上手くタイムが出せないというのが、ずっと続いている問題点です。それがレースを難しくしてしまったり、アクシデントを引き起こしたりしています。まだまだ実力が足りないということだと思います。

■1号車ドライバー 木村偉織選手コメント
反省点の多い週末でした。ホンダの育成ドライバーとして、B-Maxチームの一員として、恥じないレースができるようもっと頑張らなくてはいけないと感じています。予選の取り組み方については今回かなり研究して、自分として考えられることは全部やって臨んだのですが、上手くいきませんでした。その原因については現時点では分からないというのが正直なところです。もしかしたら自分の知識の範囲外で足りない部分があるのかもしれません。次戦に向けて、いろいろな人に相談して答えを見つけていく作業が必要になると思います。

■50号車ドライバー 菅波冬悟選手コメント
練習走行からあまり調子が良いという感じではありませんでした。予選が後方に沈んだのと、1レース目の接触で3レース目のグリッドも最後尾になってしまったことが大きかったです。SFライツはオーバーテイクが難しいレースなので、スタート順位は非常に大切ですが、ここまで12レースを戦って上位からスタートできたのはオートポリスの1回だけです。とにかく、前方グリッドからスタートして表彰台圏内で争うレースができるようにしたい、それが一番の思いであり課題です。

マスタークラス

■第10,11戦予選
予選に自信を持つ今田選手が、ベスト、セカンドタイムともに上回り、着実にポイントを加点しました。1ポイントとはいえ、僅差で追うDRAGON選手にとってはボディブローのように効いてきますし、まして抜きどころの少ないSUGOではグリッドが前にいることが俄然有利です。二人とも若手の平木(湧)選手を上回ったこともあって、今田選手の思惑どおりの予選となりました。

ドライバー 予選ベストタイム(順位) 予選セカンドベスト(順位) Point(累計)
4号車 今田信宏 1分15秒459(M1) 1分15秒618(M1) 1+1(79)
30号車 DRAGON 1分15秒678(M2) 1分15秒709(M2) 0(74)

■第10戦決勝
10,11番グリッドからスタートした今田選手、DRAGON選手ですが、クラッシュやオイル漏れの処理でレースが中断となるなかで、今田選手総合4位、DRAGON選手6位まで順位を上げました。
セーフティカー先導でレースが再開されると、二人は若手ドライバーに徐々に抜かれはしましたが、レース中盤に川合選手がストップしてセーフティカーが入ると、リスタートとなった19周目からは平木(湧)選手を交えてのバトルを展開し、最後まで平木選手を抑え切って、僅か0.3秒差の総合6位、7位でフィニッシュしました。今田選手は総合でも1ポイントを獲得しました。DRAGON選手はレース中のベストラップでも平木(湧)選手を上回る速さを見せました。

ドライバー 決勝順位 ベストタイム(順位) Point(累計)
4号車 今田信宏 M1位(総合6位) 1分17秒475(M2) 10(89)
30号車 DRAGON M2位(総合7位) 1分16秒958(M1) 7+1(82)

■第11戦決勝
序盤、好スタートを見せた今田選手がDRAGON選手をやや引き離しますが、4周目からDRAGON選手が1分16秒台をマークしながら猛追。7周目に今田選手の背後に迫ると、9周目の1コーナーでインを抑える今田選手のアウトから抜きにかかります。しかし接近した両者は絡み合うように接触。DRAGON選手はアウト側にはじかれますが、態勢を立て直してコースに復帰しました。
大きく遅れたDRAGON選手ですが、諦めずに追走を続け、終盤、競り合ってややペースの上がらない今田選手と平木(湧)選手の背後まで迫ったところでフィニッシュとなりました。
 

ドライバー 決勝順位 ベストタイム(順位) Point(累計)
4号車 今田信宏 M1位(総合 9位) 1分17秒071(M2) 10(99)
30号車 DRAGON M2位(総合11位) 1分16秒704(M1) 7+1(90)

■第12戦決勝
前2戦で僅差のレースを繰り広げる今田選手とDRAGON選手は、今回もスタートからフィニッシュまで接近戦を展開しました。特にレース折り返しを過ぎてからは、前を行く今田選手にDRAGON選手がプレッシャーをかけ続けました。
一方、今田選手は抜きどころの少ないSUGOのコースで抑えるポイントを心得ており、必死の防戦を繰り広げます。神経戦ともいえる二人の攻防ですが、今回も今田選手が制し、この週末3連勝を果たしました。
ベストタイムも今田選手が僅差で上回り、この結果、今大会前は3ポイントだった二人の差は13ポイントに広がりました。

ドライバー 決勝順位 ベストタイム(順位) Point(累計)
4号車 今田信宏 M1位(総合 9位) 1分16秒915(M1) 10+1(110)
30号車 DRAGON M2位(総合10位) 1分16秒952(M2) 7( 97)

■4号車ドライバー 今田信宏選手コメント
気合いと体力に始まって気合いと体力に終わったという感じです。最後は技術云々の世界ではなかったように思います。気力の勝負という表現が正しいのかもしれません。自分が渾身の力を込めてプッシュしても、DRAGON選手は離れていかないので、技術的には同じようなレベルにいるのだと思います。予選で勝てるのは、僅かの差ですがニュータイヤのグリップ力を僕のほうが感覚的に掴めているのかなという感じはしています。特にSUGOは予選が重要ですから、スタートを決めたあとは、レインボーと最終コーナーだけは気を抜かないように気をつけていました。

■30号車ドライバー DRAGON選手コメント
今回は今田選手に完敗です。参りました。それだけです。敗因は予選をまとめられなかったことがすべてです。SUGOでは前からスタートできないと、似たようなタイムで走る相手をそうそう抜くことはできないですからね。ただ、SCが出たことでレースの流れが変わってしまったことも事実で、普通にフルラップ走れていれば、抜くチャンスもあったと思えるレースもありました。実質レースが短縮されたことは、自分にはマイナス、今田選手にはプラスに働いたという面はあったと思います。




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