SFライツ鈴鹿テスト(12/16-17)レポート

Super Formula Lights

ジルテール選手が3セッションでトップタイム
新原、佐藤選手はマシンを乗り換えて経験を重ねる

B-Max Racing Team(チーム総代表・SFLチーム代表 組田龍司)は、12月16〜17日、鈴鹿サーキットで行われた、全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権公式テストに参加し、エヴァン・ジルテール選手が、鈴鹿初体験ながら4セッション中3セッションを制する速さを見せました。

来季を見据えたテストには、国内ドライバーとして、今季FIA-F4ランキング4位の新原光太郎選手、同6位の百瀬翔選手、フランスF4を戦った佐藤凛太郎選手が参加。海外からは、フォーミュラ・リージョナル中東選手権王者で、同ヨーロッパ選手権ランキング5位のジルテール選手、そしてここ2年は欧州ルマン・シリーズなどスポーツカーレースに参戦していたフィリップ・ウグラン選手が、マスタークラスでは、KEN ALEX選手とDRAGON選手の二人が参加しました。
また、一部パーツの共通化などが行われた来季用車両のテストや比較走行のため、今季のSFライツ・チャンピオンの野村勇斗選手、経験豊富な高星明誠選手、三宅淳詞選手、名取鉄平選手が走行しました。

2日間のテストは、ともにドライコンディションのなかで行われました。気温が低く、空気密度が高いコンディションで、シーズン中よりダウンフォースが効くため、初走行のドライバーはフィジカル面での負荷も感じながらの走行となりました。

■テスト1日目(12月16日(火)午前9時〜11時/午後1時30分〜3時35分)
午前中の走行では、1号車と50号車の車両チェックのために、まずは野村選手が乗り込み、その後、佐藤、新原選手が引き継ぎました。51号車ウグラン選手、58号車ジルテール選手もまずはクルマとコースに慣れるために周回を重ねました。
午後になると、各選手は徐々にペースを上げていき、ジルテール選手は早くも1時間経過時には、1分51秒402のトップタイムをマーク。終了間際のアタックでも1分51秒398とタイムを削り、トップのままセッションを終えました。新原選手は0.2秒遅れの5位。佐藤選手は7位、フィリップ選手は9位でした。
マスタークラスは、残り30分でKEN ALEX選手がDRAGON選手を上回りました。

ドライバー Session1タイム(順位) Session2タイム(順位)
1号車 野村勇斗 1分53秒200(10/17)
1号車 佐藤凛太郎 1分55秒241(15/17) 1分52秒769( 7/13)
50号車 野村勇斗 1分52秒767( 8/17)
50号車 新原光太郎 1分54秒552(13/17) 1分51秒611( 5/13)
51号車 F.ウグラン 1分54秒002(11/17) 1分52秒871( 9/13)
58号車 E.ジルテール 1分52秒525( 7/17) 1分51秒398( 1/13)
6号車 名取鉄平 1分54秒816(14/17)
6号車 KEN ALEX 1分57秒902(17/17) 1分55秒017(12/13)
8号車 高星明誠 1分54秒340(12/17) 1分52秒914(10/13)
30号車 DRAGON 1分56秒315(16/17) 1分55秒640(13/13)
  • 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:10℃(am)/15℃(pm)、路面温度:11℃(am)/21℃(pm)

■テスト2日目(12月17日(水)午前9時〜11時/午後1時30分〜3時30分)
午前の走行では、1日目と車両を交換して、1号車に新原選手、50号車には佐藤選手が乗り込みました。走行が始まってまもなく、ウグラン選手の車両がコースにオイルを出してしまい走行中断。再開後、1時間経過時点とセッション最後にアタックをし、ジルテール選手が1分51秒498でトップを奪いました。佐藤選手は5位、新原選手は6位でした。
マスタークラスは、KEN ALEX選手が最後のアタックで1分54秒188までタイムアップしました。
午後の走行では、序盤、ジルテール選手と再び50号車のステアリングを握った野村選手が、トップタイムを交互に塗り替える激しいタイムアップ合戦を繰り広げました。1号車にはSFライツ初走行の百瀬選手が乗り込みました。
セッション最後のアタックでは、ジルテール選手が、自身のタイムを更新してトップをキープ。野村選手が4位。新たなアイテムとなるオーバーテイクシステムをテストした三宅選手が9位、ウグラン選手10位、百瀬選手は12位でした。
マスタークラスは、KEN ALEX選手が最後にベストタイムを記録。DRAGON選手は、午前中にクルマを傷めてしまったウグラン選手がDRAGON車を使用したため、出走しませんでした。

ドライバー Session3タイム(順位) Session4タイム(順位)
1号車 新原光太郎 1分52秒150( 6/15)
1号車 百瀬 翔 1分53秒606(13/14)
50号車 佐藤凛太郎 1分51秒901( 5/15)
50号車 野村勇斗 1分51秒594( 4/14)
51号車 F.ウグラン 1分54秒384(14/15) 1分52秒899(10/14)
58号車 E.ジルテール 1分51秒498( 1/15) 1分51秒174( 1/14)
6号車 KEN ALEX 1分54秒188(13/15) 1分55秒064(14/14)
8号車 三宅淳詞 1分52秒447(10/15) 1分52秒520( 9/14)
30号車 DRAGON 1分56秒993(15/15)
  • 天候:晴れ/曇り、コース:ドライ、気温:11℃(am)/13℃(pm)、路面温度:11℃(am)/19℃(pm)

■チーム代表 組田龍司コメント
「今回のテストは、来シーズンに向けて、レギュラーで乗る可能性のある若手ドライバーを走らせましたが、他のチームも含めて、若いドライバーが将来を懸けて必死に取り組んでいる姿を見るのは良いですね。そのなかで、エヴァン選手が非凡なところを見せてくれました。初めての鈴鹿、初めてのクルマで、2日ともトップタイムを取るのは、なかなかできることではありませんので、もし彼が来年日本で、B-Maxで走ってくれると、相当期待できるという印象を持ちました。佐藤選手と新原選手の二人も、クラッシュもなく、上手くまとめることができたと思います。
来シーズンの体制はまだこれからですが、このカテゴリーは若手にとって成長できるカテゴリーですので、ぜひ多くのドライバーの参戦が実現して盛り上がってほしいですね」

■1/50号車ドライバー 佐藤凛太郎選手コメント
「SFライツは場所によっては、SFより速いところもあるそうですが、本当にレベルが高く、体力的にもかなり負荷のかかるクルマでした。F4では感じることのできないダウンフォースや横Gは衝撃的でした。
2日目は、自分なりにドライビングを変えて、かなり改善できましたが、周回を重ねるとステアリングがどんどん重く感じてしまって、攻めきれない部分もありました。SFライツに乗るには、もっとフィジカル面を鍛える必要があると感じました」

■50/1号車ドライバー 新原光太郎選手コメント
「初めてのSFライツは、感じたことのない速度感で、非常に面白かったです。
1日目は、目と身体が中々追いつかず、かなりきつかったですが、2日目は色々なものが見えたり、感じたりできるようになって、運転の精度を上げることができました。
初日は、50号車に乗って、ニュータイヤで二度アタックをしましたが、運転の精度やフィジカル面で課題が残りました。その点では、次の日のほうが、高い精度で限界まで攻めることができ、タイムには繋がらなかったものの、車のポテンシャルをより引き出す走りができたと思います」

■51号車ドライバー フィリップ・ウグラン選手コメント
「このマシンをドライブできてとても満足しています。久しぶりのシングルシーターで、慣れるのに少し時間がかかってしまいました。もう少し走行時間を確保する必要があります。
2日目の午前中にトラブルが出て走行できなかったので、貴重な走行時間を少し削られることになってしまいました。でも、今回のテストに参加したことで、改善すべき点は把握できましたので、シーズンオフの間に取り組み、来シーズンに向けて準備します。チャンスを与えてくださった方々に感謝します」

■58号車ドライバー エヴァン・ジルテール選手コメント
「この2日間は本当に良いテストになりました。チーム、マシン、すべてが完璧で、SFライツという新たな世界を知ることができました。そして、私たちは非常に良いパフォーマンスを発揮できました。最初のセッションは、マシンの特性を探る段階でしたが、 その後のセッション2、3、4では、毎回トップになることができました。本当に嬉しく思います。
来シーズン、このシリーズに参戦できることを願っています。この機会を与えてくれたART、HRC、B-Maxに感謝します」

■1号車ドライバー 百瀬 翔選手コメント
「今まで乗ってきたマシンにないものを感じました。一番はやはりGですね。上から押さえつけられるGが本当に凄かったです。それを感じながら、限界値が掴みづらく、探り探りでいって、少し抑えすぎてしまった部分はありました。ただ、最後のニュータイヤのアタックでは掴めたこともありました。
今回は貴重な体験をさせていただいて、体力的に足りないところも見えましたので、しっかり身体づくりをして、次の機会に備えたいと思います」

■6号車ドライバー KEN ALEX選手コメント
「SFライツで初めての鈴鹿でしたが、初日はクラッシュするなど、ずっと迷いながら走っていました。2日目は、走り込むにつれて何となく掴めたような気がします。まだ、気持ち良く走れるという段階ではありませんが、とりあえず走れるようになったという感じです。
比較対象となるDRAGON選手が、2日目はほとんど走れなかったので、何とも言えませんが、初日は上回ることができましたし、タイムとしてもそこそこのレベルにはあるのかなと思います。来シーズンに向けて、焦らずに頑張ります」

■30号車ドライバー DRAGON選手コメント
「3年ぶりに冬のテストに参加しましたが、この時期はダウンフォースが効いて、速度域も高いので、スピード感覚を養う上では、非常に有意義なテストだと改めて感じました。
それだけに、フルに走ることができなかったのは残念でした。アクシデントですので、そこは立場上、仕方ないですね。でも、これだけ長くやっていても、新たな気づきがあるので、終わりはないと思いました」



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