2025 SF第1,2戦鈴鹿サーキット(3/7-9)レポート

Super Formula

新体制の初陣でQ2進出とポイント獲得を果たす

San-Ei Gen with B-Max(チーム代表 組田龍司)は、3月7~9日、鈴鹿サーキットで行われた、全日本スーパーフォーミュラ選手権第1、2戦に臨み、小出峻選手が両レースの予選でQ2に進出。第2戦決勝では8位入賞を果たし、開幕大会でポイントを獲得しました。
小出選手は、ルーキーながら予選で上位常連のドライバーに匹敵する速さを見せ、第1戦決勝ではトラブルに見舞われましたが、第2戦では巻き返してシングルフィニッシュを果たしました。チームは、さらなる上位進出の手応えを掴んで、開幕大会を終えました。

■第1戦予選(3月8日(土)午前9時50分〜10時35分)
金曜日に行われたフリー走行では、総合9番手。上々の滑り出しを見せた小出選手は、やや風のある寒空の下で行われた予選でも、期待どおりの走りを見せました。
予選Q1Bグループに出走した小出選手は、4番手タイムを叩き出し、自身にとってSF初となる予選でQ1の壁を突破しました。勢いそのままに臨んだQ2では、クリアラップを取るために最初にアタックし1分37秒153をマーク。
トップ3台はやや抜け出る形になりましたが、4位から8位がコンマ2秒にひしめく僅差の予選で殊勲の7位、シングルグリッドを得ることに成功しました。

ドライバー セッション タイム/順位
50号車 小出 峻 予選 Q1(順位) 1分37秒572( 4/11)
Q2(順位) 1分37秒153( 7/12)
総合順位 7位
  • 天候:曇り、コース:ドライ、気温:8度、路面温度:12度

■第1戦決勝(3月9日(日)午後2時40分~27周)
7番グリッドを得て、期待された決勝ですが、不運にもフォーメーションラップで、2速ギヤを失うというトラブルが発生。小出選手は、スタートで加速しないクルマを左に寄せ、冷静に追突を回避しました。2速を失った状態でしたが、一定のペースで周回が可能だったことから、チームはデータ収集のために走行を継続する判断をし、小出選手は20位から諦めずに追い上げを図りました。
三度セーフティカーが導入される荒れたレースになり、小出選手もピット作業で他車と交錯する危ない場面もありましたが、試練のデビューレースを14位でフィニッシュ。手負いの状態でしたが、上位陣に匹敵するベストラップも記録するなど、チーム、ドライバー双方にとって、経験値を上げることのできたレースでした。

ドライバー セッション タイム/順位 Point(累計)
50号車 小出 峻 決勝 順位 14位 0( 0)
ベストタイム 1分39秒710( 6/22)
  • 天候:曇り、コース:ドライ、気温:12度、路面温度:19度

■第2戦予選(3月9日(日)午前10時15分〜11時)
前日と気温はほぼ変わらないものの、やや強い風が吹くなか、その影響を考え前日からクルマを若干アジャストして、予選に臨みました。
Q1 Aグループに出走した小出選手は、好調を維持し、トップから0.1秒差の3位でQ2に進出。第1戦以上の勢いを感じさせました。ところが、Q2では、コンディションの変化によりクルマのフィーリングが変わってしまい、さらにシケインで他車に引っかかるという不運も重なり、12位のタイムに留まってしまいました。

ドライバー セッション タイム/順位
50号車 小出 峻 予選 Q1(順位) 1分37秒338( 3/11)
Q2(順位) 1分37秒585(12/12)
総合順位 12位
  • 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:12度、路面温度:18度

■第2戦決勝(3月9日(日)午後2時40分~31周)
このレースは、今シーズンの新たな試みとして導入されたルールにより、タイヤ交換作業の最低義務周回数(ピットウィンドウ)の規定がない初のレースとなりました。これにより1周目からピットインが可能となって、各チームの作戦の幅が広がることになりました。
スタート後、上位の数台が混戦でのタイムロスを避けて、1周目にピットインしましたが、チームは小出選手をステイアウトさせる作戦を取り、前車のピットインで5位まで順位を上げた19周目にピットに入れました。
チームクルーの素早い作業により、10位でレースに復帰した小出選手は、22周目に自身のベストラップ1分39秒354を記録しながら果敢に攻め、25周目の1コーナーで前車をオーバーテイク。更に前を行く車両に迫りましたが、28周目に後方で起きた接触事故で、セーフティカー(SC)が導入され、結局SCランのままフィニッシュを迎えました。最終結果は、2位フィニッシュの車両がペナルティで降格したため8位となりました。

ドライバー セッション タイム/順位 Point(累計)
50号車 小出 峻 決勝 順位 8位 3( 3)
ベストタイム 1分39秒354( 6/22)
  • 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:15度、路面温度:25度

新体制で臨んだチームと小出選手は、初陣となった開幕大会で、Q2進出、ポイント獲得という、チームが目標としていたリザルトを残して、今大会を終えました。
第3、4戦は、4月18〜20日、モビリティリゾートもてぎで開催されます。

■チーム監督 本山 哲コメント
「クルマは上位陣に遜色ない仕上がりでしたし、小出選手も良く走ってくれました。第1戦は不運なトラブルで思うような結果は残せませんでしたが、第2戦は現状でのベストリザルトと言って良いと思います。チームとして最高のスタートが切れましたし、チームと小出選手にとって大きな自信になりました。まだ、シーズンの展望を語るには早いですが、表彰台を目標に、次戦以降もチャレンジャーとして臨みたいと思います」

■チーフエンジニア 村井 寛太コメント
「反省点の多い週末でした。課題だらけですが、それが見えたことで次に繋がりますし、今後、トップチームと戦っていけるという手応えは感じました。第2戦のQ2で失敗がありましたが、コンディションの変化に合わせて、一発の速さを引き出せるセットを短時間で導き出すことは、解消すべき大きな課題の一つです。ただ、現状ではいろいろな事象に適応する力が不足しているので、経験を積んで引き出しを増やしていくしかないと考えています。でも、新たな体制で臨んだ今大会で、Q1突破、ポイント獲得という目標が達成できたことにはホッとしています」

■ドライバー 小出 峻 選手コメント
「デビュー大会でしたが、2レースともQ1を突破し、第2戦はポイントも取れました。チームとドライバーの実力の片鱗をすことはできたかな、と思います。チームとしても士気は上がっていますし、次戦以降、もっといけるという自信はあります。今回出た課題を修正して、表彰台、できれば今年中に優勝というところまで上り詰めたいと思っています。僕がファクトリーのある綾瀬市に転居したことで、チームとはかなり密にコミュニケーションが取れていますし、雰囲気も日を追うごとに良くなっています。これは、結果を出すうえで大きな原動力になっています」



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