森山、岩崎選手ともに上々のシーズンスタート
INDPクラスはDRAGON選手がまず1勝
B-Max Racing Team(FIA-F4チーム代表 脇⼭敏志)は、5月3〜4日に富士スピードウェイで行われたFIA-F4選手権第1〜3戦に参戦し、チャンピオンクラスでは、森山冬星選手が2度の表彰台、岩崎有矢斗選手も上位入賞2回と、ともに上々のシーズンスタートを切りました。
インディペンデントクラスでは、DRAGON選手が不運なアクシデントを乗り越え、第2戦で優勝。今田信宏選手も第1戦で表彰台に上り、ともにポイントを重ねました。
チャンピオンクラス |
■予選(5月3日(土)午前7時45分〜8時5分)
森山選手は、徐々にペースを上げ、計測5周目に1分46秒台に入れると、クールダウンラップ2周を挟んで再アタック。「最後は絞り出しました」と最終11周目に1分46秒355まで削り取って5 番グリッドを獲得。岩崎選手は、慎重にコースインすると、8周目に1分46秒台をマーク。そこから少しずつタイムを上げ、森山選手に次ぐ6番グリッドを得ました。二人はセカンドタイムでも5、6位となり、第1、2戦ともに3列目からのスタートとなりました。
ドライバー | 第1戦予選Bestタイム(順位) | 第2戦予選2ndタイム(順位) | |
43号車 | 森山 冬星 | 1分46秒355( 5/30) | 1分46秒568( 5/30) |
52号車 | 岩崎有矢斗 | 1分46秒378( 6/30) | 1分46秒637( 6/30) |
- 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:18℃、路面温度:21℃
■第1戦決勝(5月3日(土)午後0時15分〜14周)
二人ともにスタートを決めてポジションを上げ、森山選手4位、岩崎選手5位でオープニングラップを終えました。トップ3のペースが速く、二人の前後が1秒間隔となった6周目、接触でストップした車両があり、セーフティカー(SC)が導入されました。
9周目のリスタート後も二人はポジションをキープし続けますが、13周目に再びSCランとなって、SC先導のままレースは終了。3位フィニッシュの車両にフライングのペナルティ(+5秒)が課され、森山選手は3位表彰台。岩崎選手は4位と、開幕戦で二人揃って上位入賞を果たしました。
ドライバー | 決勝順位 | ベストタイム(順位) | Point(累計) | |
43号車 | 森山 冬星 | 3位 | 1分46秒543( 3/28) | 15(15) |
52号車 | 岩崎有矢斗 | 4位 | 1分46秒646( 6/28) | 12(12) |
- 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:22℃、路面温度:37℃
■第2戦決勝(5月4日(日)午前7時55分〜14周)
1周目、森山選手はグリッドポジションを守って5位。岩崎選手はやや遅れ8位で通過しますが、その焦りが出たのか、2周目のヘアピンコーナーで接触からスピンを喫し、大きく後退してしまいました。
SCランを経て、7周目にリスタートすると、森山選手は1コーナーで前車をパスし4位に浮上。その後も「クルマは昨日よりかなり良い状態でした」と3位の車両に迫る勢いを見せましたが、抜くまでには至らず4位でチェッカー。岩崎選手は、インディペンデントクラスの車両をかわしながら、ポジショを上げ19位でフィニッシュしました。
ドライバー | 決勝順位 | ベストタイム(順位) | Point(累計) | |
43号車 | 森山 冬星 | 4位 | 1分45秒958( 4/28) | 12(27) |
52号車 | 岩崎有矢斗 | 19位 | 1分47秒077(19/28) | 0(12) |
- 天候:曇り、コース:ドライ、気温:17℃、路面温度:22℃
■第3戦決勝(5月4日(日)午前10時55分〜11周)
第1戦決勝のベストラップでグリッドが決定され、森山選手が3番手、岩崎選手は6番手からのスタートとなりました。森山選手は3位をキープ、岩崎選手は1周目にポジションを1つ落としたところで、後続の集団で多重クラッシュがあり、SCが導入されました。リスタートとなった7周目にもストップした車両があり、再びSCランとなりました。
車両の回収作業に時間がかかったため、10周目の周回中に上限時間の30分が経過し、レースはSC先導のまま11周でチェッカーとなりました。最終ラップにトップの車両がトラブルでストップしたため、森山選手は2位で今大会2度目の表彰台に上がり、岩崎選手も6位入賞。第1戦に続き、二人揃って上位入賞を果たしました。
ドライバー | 決勝順位 | ベストタイム(順位) | Point(累計) | Rank | |
43号車 | 森山 冬星 | 2位 | 1分52秒601( 3/28) | 18(45) | 2 |
52号車 | 岩崎有矢斗 | 5位 | 1分53秒705( 7/28) | 10(22) | 6 |
- 天候:曇り、コース:ドライ、気温:21℃、路面温度:34℃
■43号車ドライバー 森山冬星選手コメント
「テストも十分できないまま週末を迎え、木曜の走り出しは本当に調子が出なくて最悪でした。自分の走りもクルマに合わせてアジャストできていませんでした。でも、なぜか予選になると上位にいけるという……ちょっと謎です(笑)。もちろん、チームの皆が頑張ってくれて、自分もできる限りのことをした結果と思います。
決勝も運が自分に向いた感じはありました。長いシーズンを考えると、この結果は本当に良かったと思います。この先も毎戦自分のやるべきことをやっていけば、 必ずポールポジションや優勝のチャンスはきます。これまでの経験もしっかり生きていますので、チャンピオンを見据えて、毎戦自分の納得できるリザルトを残していきたいと思います」
■52号車ドライバー 岩崎有矢斗選手コメント
「第2戦は接触してしまい残念な結果でしたが、第1戦はやり切った感はありますし、第3戦も6位で終えることができ、シーズンのスタートとしては上出来だったと思います。でも、まだまだペースが足りないですし、クルマのセットアップや、それに合わせた自分のドライビングなど、攻めきれていない部分が多いので、そこを改善すれば、十分トップが狙えるポテンシャルはあると思います。
今大会でかなり手応えは感じましたので、次はもっと上を目指して練習走行から組み立てていきたいと思います」
インディペンデントクラス |
■予選(5月3日(土)午前8時20分〜8時40分)
練習走行から好調のDRAGON選手は、自信を持って予選に臨みましたが、アクセルが戻りづらいトラブルが発生。思い切り攻めることができませんでしたが、それでも5周目からは1分47秒台を連発。ベストタイムは3位でしたが、セカンドタイムではトップとなり、両レースともに上位グリッドからのスタートとなりました。
今田選手は「今ひとつ乗れていない」と感じながらも、徐々にタイムを上げて、1分48秒台をマーク。8、6番グリッドを確保しました。
ドライバー | 第1戦予選Bestタイム(順位) | 第2戦予選2ndタイム(順位) | |
30号車 | DRAGON | 1分47秒829( 3/19) | 1分47秒862( 1/19) |
44号車 | 今田 信宏 | 1分48秒687( 8/19) | 1分48秒715( 6/19) |
■第1戦決勝(5月3日(土)午後0時15分〜14周)
「自信があった」とニュータイヤを温存し、ユーズドタイヤで出走したDRAGON選手は、スタートからトップを快走。今田選手も1周目の混乱に乗じて大きくポジションを上げ、2周目にはDRAGON選手に続きました。
DRAGON選手は、9周目にSCが退いた後もトップを守り、完全にレースをコントロール。しかし、あろうことか、11周目の1コーナーで、ブレーキをロックさせたチャンピオンクラスの車両に突っ込まれ、足回りにダメージを負って無念のリタイア。今田選手は、途中1台にかわされましたが、安定したペースで2位フィニッシュを果たしました。
ドライバー | 決勝順位 | ベストタイム(順位) | Point(累計) | |
30号車 | DRAGON | DNF | 1分47秒807( 2/17) | 0( 0) |
44号車 | 今田 信宏 | 2位 | 1分48秒821( 7/17) | 18(18) |
■第2戦決勝(5月4日(日)午前7時55分〜14周)
ポールスタートのDRAGON選手は、1コーナーの混乱で3位に順位を落としますが、SCラン明けの7周目からスパート。8周目に2位に浮上すると、トップの中島選手を徐々に追い詰めていきます。その差は、9周目1.7秒、10周目0.5秒、11周目のストレートでは背後にぴたりとつけ、ついに1コーナーでトップに躍り出て、そのままフィニッシュ。第1戦の悔しさを晴らし、今季1勝目を挙げました。
今田選手は、1周目に4位にジャンプアップ。「走り方を修正したら、フィーリングが良くなった」と、その後も前車を追いますが、間にチャンピオンクラスの車両が入ってしまい、チャンスを見出せずに、4位でフィニッシュしました。
ドライバー | 決勝順位 | ベストタイム(順位) | Point(累計) | |
30号車 | DRAGON | 優勝 | 1分47秒064( 1/17) | 25(25) |
44号車 | 今田 信宏 | 4位 | 1分47秒852( 4/28) | 12(30) |
■第3戦決勝(5月4日(日)午前10時55分〜11周)
第1戦決勝のベストラップでグリッドが決定され、DRAGON選手が2番手、今田選手は7番手からのスタートとなりました。
1周目の1コーナーの混乱を避けたDRAGON選手は、アウト側のダートに出て5位まで順位を落としてしまいます。今田選手は1つポジションを上げ、さらに前を追いますが、最終コーナーを立ち上がって横に出ようとしたところで、前車が動いたため、それを避けようとしてスピン。イン側のバリアにヒットして、ここでレースを終えました。
このレースは、1周目に他の場所でも多重クラッシュがあってSCが導入され、7周目のリスタート後にもSCが入ったことで、競り合いがないまま規定の30分を超え11周で終了。DRAGON選手は追い上げのチャンスもなく5位でチェッカーを受けました。
ドライバー | 決勝順位 | ベストタイム(順位) | Point(累計) | Rank | |
30号車 | DRAGON | 5位 | 2分1秒324( 6/17) | 10(35) | 3 |
44号車 | 今田 信宏 | DNF | ——— | 0(30) | 5 |
■30号車ドライバー DRAGON選手コメント
「第1戦のアクシデントで25ポイントを失ったのは痛かったですが、1年間シーズンを戦う上ではこういうことも起きますので、そこは気を取り直していくしかないですね。ただ、今回、速さとしてはインディペンデントクラスのなかで、少し抜き出ていた感じはありました。次も富士ですから、次こそはしっかり結果を残したいと思います。
それにしても、この事故の多さはちょっと異常ですね。予選落ちも出ている状況なので、可能なら両クラスを独立したレースとしてやってほしいと思います。
チームとしては、森山、岩崎両選手の好成績で雰囲気は良いですね。HFDPの二人も含めて若手を応援しつつ、今田選手と僕も刺激をもらって頑張りたいと思います」
■44号車ドライバー 今田信宏選手コメント
「今週末は、練習走行の走り始めからどうも乗れていない感じがあって、その違和感は予選や表彰台に上った第1戦でも続いていました。昨年末の股関節の手術の影響であれば、今季はこれが続くことになると思い落ち込みましたが、第2戦で走り方を工夫して、復活の兆しを感じることができ、第3戦も結果はリタイアでしたが、かなり手応えがありました。
今更ですが、このレースはやっぱり予選で前に行かないと、さまざまなリスクを背負うことになるので、次はきっちり前からスタートして、結果を残したいと思います。まだ、シーズンは始まったばかりですので、これから巻き返します」