B-Max Custom Factoryのオープン
2025年12月、組田は念願だったカスタムカーショップをオープンした。
若い頃から組田の生活の中心にあったクルマを、多くの人に楽しんでもらえるような場所を作りたいと常々思っていた。また、綾瀬市との提携を通じて、地域の人たちが身近にレースと触れ合える拠点も欲しいとの想いを強くしていた。
そして、もうひとつの大きな理由は、経営者としての社員の再雇用先の確保である。メカニックとして働く社員は年齢的に二極化の傾向がある。還暦を超えてのレース現場は、体力的には年々辛くなってくる。現場を退いたメカニックが、その卓越した技術を発揮できる場を作りたかったのである。

がむしゃらにレースにのめり込んでいる間は、具体的に動く余裕はなかったが、自身も還暦が近くなり、SFライツのマシンでレースを続けるのは、そろそろ厳しいかもしれないと思い始めていた。
そんなときに、B-Maxの本社やレーシングファクトリー近くの幹線道路沿いに良い物件があり、ここに組田の思いの詰まった「B-Max Custom Factory(BCF)」をオープンすることに決めたのだ。
クルマ好きと本格的なレースファンがともに集える場。ありそうでなかった新しいコンセプトのショップが、チームのホームタウンである綾瀬市に誕生した。
筑波アタックへの挑戦
店舗がオープンして、年が明けた2026年2月。BCFは、ホンダS2000の聖地と言われるショップ「ASM YOKOHAMA」とのジョイントで、1ラップのタイムを競う「Attack Tsukuba 2026」に参戦する。
「アタック競技は、我々の参戦しているレースとは似て非なるものですが、カスタムカーやチューニングカーのジャンルのお客さんのニーズを掴む上で、まず参戦してみようと。アタック競技に参戦することでBCFに注目、応援してくれる人がどれほど増えるのか、その反応をお店づくりの参考にしようと思いました」
組田は参戦の意図をそう語るが、何よりも自身の競争好きの虫が騒いだ、というのも大きな理由だろう。

準備期間は短かったが、この車両のドライバーを務めてきた加藤寛規の意見を参考に、ドラッグが少なくなるようリアウィングを後方に移動し、アンダーパネルなどの接合部も丁寧に段差なく仕上げた。アライメントもレースクオリティで調整し直すなど、基本的な部分を見直した。
そして、アタックドライバーには、B-Maxからスーパーフォーミュラに参戦し、2025年のスーパーGT、ポルシェカレラカップで活躍した木村偉織を起用した。
結果は、S2000(NA/自然吸気)のコースレコードまでは0.1秒届かなかったが、従来の自車の持つタイムを約1秒更新する55秒842をマークし、周囲を驚かせた。
あくまでも店舗あってのアタック競技だが、走り出したら止まらないのがB-Maxだ。来年は、組田の恩師ともいえる雨宮勇美(B-Maxストーリー第2話参照)率いるRE雨宮のRX7が記録した54秒707をターゲットに、一気にNA最速の座に就くことを目論んでいる。
(2026年初頭まで了/さらに続く)




















