
野村、デビッド選手ともに高い適応力を見せる
San-Ei Gen with B-Max(チーム代表 組田龍司)は、12月10~12日、鈴鹿サーキットで行われた、全日本スーパーフォーミュラ選手権合同・ルーキーテストに、野村勇斗選手、ザック・デビッド選手、清水康弘選手を起用して参加しました。
3日間のテストは天候にも恵まれ、野村選手は初走行となった初日からSFを乗りこなし、充実したテストとなりました。3日目に走行したデビッド選手は不運でタイムアタックはできなかったものの、野村選手同様に初走行とは思えない適応力を見せました。
■テスト1日目(12月10日(水)午前9時〜11時15分/午後1時45分〜4時10分)
初日、SF初走行となった野村選手は、走行開始まもなくスロットルトラブルが出てしまいましたが、修復後は順調に周回を重ねました。最後のアタックでは、トップから約1秒遅れの1分38秒405をマーク。12位と上々の結果で初のセッションを終えました。
午後のセッションは、常にベスト10圏内で走行を続け、残り40分となったところで一度目のアタック。1分38秒177とこの時点で2位となるタイムをマーク。最後のアタックでは、エンジンパワーが上がらない症状が出て、タイム更新はなりませんでした。

| ドライバー | Session1タイム(順位) | Session2タイム(順位) | |
| 50号車 | 野村勇斗 | 1分38秒405(12/22) | 1分38秒177(13/22) |
- 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:11℃(am)/15℃(pm)、路面温度:11℃(am)/21℃(pm)
■テスト2日目(12月11日(木)午前9時〜11時15分/午後1時45分〜4時10分)
2日目最初のセッションは、異なるセットを試しながら走行を続け、最後に丁寧にタイヤを温めてアタックに入りました。少し攻めすぎた結果、ミスもあって、タイムは初日を上回れなかったものの、野村選手は、2日目にしてSFを乗りこなすまでに習熟が進みました。
野村選手にとって最後のセッションとなった午後の走行は、不運続きとなってしまいました。残り40分でのアタックは、ストップした車両があり赤旗で中断。最後のアタックも前車が飛び出して砂煙で視界を遮られてしまい、終了となってしまいました。最後はやや消化不良なセッションとなりましたが、野村選手が存在感を示し、チームも来季に向けてデータを収集できた有意義な2日間となりました。

| ドライバー | Session3タイム(順位) | Session4タイム(順位) | |
| 50号車 | 野村勇斗 | 1分39秒019(16/23) | 1分38秒640(16/23) |
- 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:12℃(am)/16℃(pm)、路面温度:13℃(am)/21℃(pm)
■テスト3日目(12月12日(金)午前10時〜11時30分/午後2時〜3時30分)
デビッド選手にとって初めてのSFでしたが、冷静に周回を重ね、徐々にタイムアップしていきました。1時間経過時には、すでに昨日から走行している選手に伍して1分38秒783で3番手につけました。最後のアタックが期待されましたが、スピンした車両があり、アタックできず、5番手で午前の走行を終えました。
午後のセッションは、途中で清水選手に交替するため、デビッド選手は午前中にできなかったアタックをするはずでしたが、赤旗で中断となったり、スロー走行している車に引っかかったりして、結局アタックはできませんでした。
残り30分で清水選手が乗り込みましたが、アウトラップのS字コーナーに入るところでコントロールを失いクラッシュ。悔いの残るSF初走行となってしまいました。

| ドライバー | Session5タイム(順位) | Session6タイム(順位) | |
| 50号車 | Z.デビッド | 1分38秒783(5/13) | 1分38秒946(11/13) |
| 50号車 | 清水康弘 | – | No Time |
- 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:10℃(am)/10℃(pm)、路面温度:11℃(am)/12℃(pm)
■チーム代表 組田龍司コメント
「今回のテストでは、野村選手がリラックスできるように、スタッフにSFライツのメンバーを多く配置して臨みました。タイムを追うというより、マイレージを稼ぐことを目的にしていましたが、野村選手が想定以上にクルマに早く慣れたので、来季を見据えたセットをいくつか試すことができました。タイムだけ見ればもう少しいけたようにも思いますが、初走行としては大いに評価できる内容でした。
ザック選手は、ルーキーディのみの短い時間でしたが、海外から来た有望選手がトップチームのクルマで走るなか、見劣りしない走りを見せました。これは嬉しい驚きでした。もし、野村選手と同じメニューで走っていたら、と期待させるポテンシャルを感じさせました。
来シーズンの体制は、まだ決定していませんが、いずれにしても年々レベルアップするSFのなかで、トップチームとの差を少しでも埋めるべく、力をつけていきたいと思います」
■チーフエンジニア 今関佳斗コメント
「タイム的には、まとめきれませんでしたが、良いところ、悪いところは見えましたので、来季に向けて有意義な、充実したテストになりました。
正直、野村選手に関しては、もう少し習熟に時間かかると思っていましたが、想像以上に適応能力が高く、2本目からは通常通りテストを進めることができました。ザック選手も非常に良い印象でした。3日目は風があってコンディションも違ったので、比較は難しいですが、クルマへの習熟という点では、野村選手に引けを取らないと感じています。最後にアタックができなかった点は残念でした。
上位のチームは安定して速さがあり、トップ10圏内を安定して確保するのは現状ではかなり厳しいと思っているので、オフの間に策をいろいろ練ってしっかりと準備していきたいと思います」
■ドライバー 野村勇斗選手コメント
「最初、特に直線がすごく速く感じましたが、コーナーはSFライツと同じようなスピード感で、マシンの動き方も似ていたので、そこはアジャストしやすかったです。 2日間通して、飛び出すこともなく、限界を探りながらいろいろ試せました。もう少し走り込めばマシンを十分操れるという手応えも感じました。フィジカルに関しても問題はありませんでした。ただ、セットアップに関しては、感度がもの凄く高く、組み合わせのパターンが多いので、学習の必要性を感じました。
今回はテストですが、この素晴らしい舞台で走れたことがすごく嬉しかったです。トップとの差も感じることができましたので、参戦が実現したら、少しずつ追いつけるように努力したいと思います」
■ドライバー ザック・デビッド選手コメント
「有意義な一日でした。今回のテストは、自分がスーパーフォーミュラを乗りこなせるという自信をつけることが主な目的でしたので、それを考えると、悪くなかったと思います。
午前のセッションは、初めてのクルマとスピードに慣れることから始め、午後は、チームが予定していたプログラムをスムーズにこなすことができました。ニュータイヤでプッシュしようとするたびに、不運にも赤旗が出て、本来のスピードを示すことができなかったのは残念でしたが、全体的には良いテストだったと思います」
■ドライバー 清水康弘選手コメント
「念願のSF走行がPITアウトからわずか2コーナーで終わってしまい、言葉に出来ないくらい残念な気持ちです。今回チームとして後押しして頂いた中で、このような情けない結果となり、また他のエントラント様にも赤旗でご迷惑をかけてしまい大変申し訳なく思っています。
特にアウトラップは本当に繊細なアクセルコントロールが必要なことを理解し、十分注意していたはずなのにミスを起こしてしまった自分に失望しています。振り返ればセッション後半からのコースインで、与えられた30分という限られた時間への見えない焦り、慣れない操作系への緊張があった様に思います。その状況への対応力を含め自身の経験も技量も足りていないということを思い知らされましたし、プロドライバーの凄さも同時に改めて理解しました。
今はまた挑戦したい、と簡単に言える様な気持ちではありませんし、SFライツでまた1からやり直します」























