2022 SFL第4,5,6戦鈴鹿(4/23-24)レポート

Super Formula Lights

天候のようにすっきりしない週末、次戦からの逆襲を誓う

B-Max Racing Team(SFLチーム代表 組田龍司)は、4月23~24日、鈴鹿サーキットで行われた全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第4~6戦に参戦し、菅波選手は最高位4位、木村選手は5位というリザルトで、期待した結果を得ることはできずにレースウィークを終えました。
練習走行では好調な滑り出しを見せていただけに、悔やまれる結果ですが、ライバル勢とのギャップを埋めるべく、気持ちをリセットして次戦オートポリス戦に臨みます。

■第4,5戦予選(4月23日(土)午前11時35分~午後0時05分)
練習走行ではドライコンディションでのタイムがやや伸び悩んでいましたが、予選もその流れを変えられないままとなってしまいました。
木村選手は二度のアタックで1分52秒617から52秒087、菅波選手は1分52秒827から52秒304へとタイムアップは果たしましたが、ライバル勢は51秒台に乗せ、第4戦の予選は木村選手5位、菅波選手7位という結果でした。
第5戦のグリッドを決めるセカンドベストタイムも、菅波選手4位、木村選手5位と、開幕大会に続いて、厳しい位置からのスタートになりました。

ドライバー 予選ベストタイム(順位) 予選セカンドベスト(順位) Point(累計)
1号車 木村偉織 1分52秒087(5/13) 1分52秒360(5/13) 0(15)
50号車 菅波冬悟 1分52秒304(7/13) 1分52秒357(4/13) 0( 4)
  • 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:24度、路面温度:25度

■第4戦決勝(4月23日(土)午後4時35分~12周)
上空に雲は多いものの、時折日差しもある暖かなコンディションとなった第4戦決勝。スタートで上位陣に順位変動はなく、木村選手5位、菅波選手7位で、それぞれ前を行く4位古谷選手、6位平良選手を攻めたてる形でレースは進みました。5周目1コーナーで菅波選手は平良選手の攻略に成功し6位に浮上。木村選手は最後まで古谷選手にプレッシャーをかけ続けましたが、抜くまでには至らずフィニッシュを迎えました。

ドライバー 決勝順位 ベストタイム(順位) Point(累計)
1号車 木村偉織 5位 1分53秒674(5/13) 2(17)
50号車 菅波冬悟 6位 1分53秒784(6/13) 1( 5)
  • 天候:曇り、コース:ドライ、気温:24度、路面温度:29度

■第5戦決勝(4月24日(日)午前10時50分~12周)
朝から降り続く雨でコースは完全なウェット。4番グリッドから上位進出が期待された菅波選手でしたが、ストレートイン側に溜まった雨水に足を取られスタートで後退、木村選手も1つ順位を落としてしまいました。
木村選手6位、菅波選手7位でレースは進み、迎えた6周目、デグナーで8位元嶋選手がコースアウト。グラベルにはまりセーフティカー(SC)が導入されました。
9周目に入るところでSCランが解除になり、残り4周でレースが再開。この周のS字で3位野中選手がコースアウト。木村、菅波選手は1つずつ順位を上げ、5位、6位でチェッカーを受けました。

ドライバー 決勝順位 ベストタイム(順位) Point(累計)
1号車 木村偉織 5位 2分10秒628(7/13) 2(19)
50号車 菅波冬悟 6位 2分11秒299(8/13) 1( 6)
  • 天候:雨、コース:ウェット、気温:17度、路面温度:19度

■第6戦決勝(4月24日(日)午後4時30分~17周)
スーパーフォーミュラでB-Maxレーシングチームの松下選手が劇的な初優勝を飾り、その余韻が残るなか、週末最後の第6戦がスタートしました。5番グリッドの木村選手はスタートで大きく遅れ、逆に6番グリッドの菅波選手は好スタートから4位に浮上。その後は大きな順位変動はなく終盤に突入しました。
17周と前2レースより5周長いレースでしたが、雨の影響もあり各車1~3秒間隔で縦に長い展開となりました。木村選手は11周目に1台抜いて7位に上がりますが、前が大きく開いていたため、ここから猛プッシュ。16周目にファステストラップを叩き出して1ポイントを獲得し意地を見せました。
菅波選手は4位と、この週末ではチームのベストリザルトでしたが、到底満足できるものではなく、チームは体制を立て直して次戦オートポリスに臨みます。

ドライバー 決勝順位 ベストタイム(順位) Point(累計)
1号車 木村偉織 7位 2分12秒161(1/13) 1(20)
50号車 菅波冬悟 4位 2分12秒624(4/13) 3( 9)
  • 天候:雨、コース:ウェット、気温:17度、路面温度:19度

■チーム監督 高木真一コメント
予選とスタートの重要さを改めて思い知らされた週末でした。決勝のペースは決して悪くないのでグリッドさえ良ければ上位に食い込めるはずです。グリッドが悪くても、スタートを決めて、レース中の勝負を仕掛けるタイミングなどレース運びをうまくやればポジションを上げられるので、これから毎レースが勉強ですし経験値も上がってくるでしょう。
木村選手は、最後のレースは順位としてはポイント圏外でしたので、ファステストの1点を取りに行き、それを成し遂げたことで1つ課題をクリアしたように思います。レース中のパフォーマンスは悪くないので、やはり予選が課題です。

■チーフエンジニア 宮田雅史コメント
この週末を終えてかなり厳しいというのが率直なところです。やはり予選が上手くいかなかったのが一番大きいですね。決勝もペースをつくるまでに時間がかかってしまっていますので、そのあたりの改善も必要です。SFライツはかなりシビアな戦いをしていますので、少しずつ足りない部分が積み重なってトップとの差になっている感じです。クルマ、ドライバー双方のレベルアップが必要です。

■1号車ドライバー 木村偉織選手コメント
練習までは今までで一番良い流れだったのですが、予選からすべて崩れてしまい、非常に不甲斐ない週末でした。最後のレースでは、コンディションやタイヤも合ってきて、ファステストをマークしましたが、ポイントを持って帰らないとチームにもホンダにも合わせる顔がないと思って意地で取りました。この週末良かったのはそれくらいです。
オートポリスに向けてもっと強くなるためにはどうすべきか、チームとも話し合っていきたいと思います。予選でタイムを上げられないことが一番の課題ですので、それを解決するのはどうすべきか、今は光が見えない状況ですが、何か見つけて次に挑まないといけないので、じっくり考えたいと思います。

■50号車ドライバー 菅波冬悟選手コメント
雨だった木曜日の練習走行では、リザルトではトップだったものの、手応えという点ではそれほど良い感触ではありませんでした。ドライコンディションの金曜も、決して悪くはないのですが、もう少し改善しなくてはいけないという感触でした。ニュータイヤのアタックでコースオフしてしまい、このアクシデントでクルマも少し傷めてしまったので、1周もアタックできずに予選に臨むことになってしまいました。ここでリズムが狂ってしまい、予選はニュータイヤの限界を引き出せずに終わってしまいました。
レースペースもうまく上げられないなど、前回の富士でぼんやりしていた課題がかなり具体的に見えてきました。まずはレースウィークのアプローチから見直していかないといけないと思っています。

マスタークラス

■第4,5戦予選
開幕大会でDRAGON選手の後塵を拝することになった今田選手は、この週末は3戦ともにクラスポール・トゥ・ウィンを目標に掲げて予選に臨みました。DRAGON選手はそれを阻止すべくアタックを行いましたが、今田選手の思いは強く、ベストタイム、セカンドベストタイムともに今田選手が上回りました。ベストタイムでは二人ともに若手の平木湧也選手を上回るグリッドを得たのは大きな成果でした。

ドライバー 予選ベストタイム(順位) 予選セカンドベスト(順位) Point(累計)
4号車 今田信宏 1分53秒977(M1) 1分54秒557(M1) 2(19)
30号車 DRAGON 1分54秒302(M2) 1分55秒325(M2) 0(22)

■第4戦決勝
DRAGON選手がスタートミスをして最後尾まで後退。二人の勝負はここで決してしまいました。今田選手は4周目まで平木(湧)選手を抑える好走を見せ、終盤も1分57秒台の安定したペースを維持してクラスウィン。8周目に植田選手を抜いたDRAGON選手は後半1分56秒台を連発する走りを見せ、最後は今田選手の2.6秒背後まで迫ってフィニッシュとなりました。

ドライバー 決勝順位 ベストタイム(順位) Point(累計)
4号車 今田信宏 M1位(総合11位) 1分56秒738(M2) 10(29)
30号車 DRAGON M2位(総合12位) 1分56秒293(M1) 7+1(30)

■第5戦決勝
雨のなか、またしてもスタートで出遅れてしまったDRAGON選手は先行する植田選手を抜くのに5周を要してしまい、その間に今田選手に大きく水を開けられてしまいました。今田選手は、スタートで平木(湧)選手の前に出ると、背後からプレッシャーをかけられながらも最後まで抑えきって殊勲の総合8位でチェッカーを受けました。

ドライバー 決勝順位 ベストタイム(順位) Point(累計)
4号車 今田信宏 M1位(総合 8位) 2分13秒822(M1) 10+1(40)
30号車 DRAGON M1位(総合11位) 2分14秒083(M2)   7(37)

■第6戦決勝
DRAGON選手が1周目から今田選手の前に出て、周回を重ねるたびにその差を開いていきました。今田選手は濡れた路面にセッティングが合わず、タイヤが温まった10周目にようやく本来の速さを見せましたが、時すでに遅く、DRAGON選手が14秒という大差をつけてクラス優勝。今田選手に一矢報いる結果となりました。
今回の二人の勝負は、今田選手の2勝1敗。ただし、ファステストラップはDRAGON選手の2勝1敗でした。ポイントも6戦を終わって僅か1点差。この先も二人のバトルは続きます。

ドライバー 決勝順位 ベストタイム(順位) Point(累計)
4号車 今田信宏 M2位(総合12位) 2分14秒583(M2) 7(47)
30号車 DRAGON M1位(総合11位) 2分14秒495(M1) 10+1(48)

■4号車ドライバー 今田信宏選手コメント
今回の良かった点は、予選でのダブルポールを取れたこと、予選タイムが1分53秒台に入ったこと、予選において若手とのタイム差が去年より縮まったこと、決勝で2勝したこと、若手を一人抑え続けることができたこと、接触もなく無事に終わったことですね。逆に、悪かった点はDRAGON選手に3タテを食らわすはずが、最後のレースで負けてしまったことです。

■30号車ドライバー DRAGON選手コメント
3月に行われた鈴鹿の合同テストでは非常に調子が良くて、クルマにもドライビングにも自信を持っていたのですが、テストで傷めたモノコックを交換したら、フィーリングが変わってしまいました。そのため、木曜日の練習走行からセッティングをゼロからやりましたが、迷路に入ってしまって、予選では今田さんに太刀打ちできませんでした。それでも何とか3タテは阻止したいと思っていました。最後のレースはスーパーフォーミュラ初優勝の直後で気持ちも高ぶっていて、スタートも決まって勝てました。今田さんが3連勝宣言をしていましたので、それを阻むことができて良かったです。




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